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保育園反対の声の後ろに、賛成の声が隠れていた

PRESIDENT WOMAN Online 著者プロフィール
境 治 さかい・おさむ
コピーライター/メディアコンサルタント

境 治1962年福岡市生まれ。東京大学卒業後、広告会社I&Sに入社しコピーライターになり、93年からフリーランスとして活動。その後、映像制作会社ロボット、ビデオプロモーションに勤務したのち、2013年から再びフリーランス。ブログ「クリエイティブビジネス論」でメディア論を展開し、メディアコンサルタントとしても活躍中。最近は育児と社会についても書いている。著書『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。』(三輪舎刊)

文=境 治
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東京都目黒区の保育園開園延期問題を考えてきた本連載。保育園反対派の声がクローズアップされがちですが、その裏には声を挙げづらいと感じている賛成派の人たちもいます。保育園賛成派の声をもとに、地元に広がりつつある開園への明るい兆しに目を向けます。

この連載では2015年4月に開園予定だった目黒区の認可保育園の開園反対運動を追ってきた。開園の延期後も、周辺住民との話し合いがまとまらず、平行線をたどっていたのだ。7月後半に保育園の運営会社、ブロッサムによる周辺住民に向けた説明会があると聞いて、私も参加することにした。会場は保育園となる予定の建屋で、目黒区の担当者も参加するという。関係者が顔を合わせる取材の好機だ。

当日、環状7号線からほど近い住宅地の一角にある会場、保育園になる予定の建物に行ってみると、驚いた。周囲の家に「開設反対!」と書かれたノボリが掲げられている。予定地の向かいの家には「ブロッサムは来るな!」と激しい文言の手書きの横断幕もあり、予想以上にピリピリした空気が周囲を覆っていた。

写真右/保育園に生まれ変わる予定の建屋。角地で採光は十分だ。保育園を運営予定のブロッサムは開園にあたり、近隣住民の住環境に配慮して、2重サッシの採用、防音壁の設置、さらに通気の時以外は窓を開けないなど、複数回の説明会で住民側に条件を提示している。写真左/2015年7月の説明会時、保育園開園予定地付近の様子。ものものしい雰囲気に包まれた近隣道路では、ベビーカー姿の母子や、子供乗せ自転車に幼児を乗せて行き交う親子の姿が複数見受けられた。

会場は教室になる予定であろう、小さめの部屋。赤ちゃん連れの女性から年配者まで、20数名の人々がいた。品のよいお年寄りが多い。ところが説明会が始まると私は会場を出なければいけなくなった。私の認識不足だったのだが、記者には説明会へ参加してほしくない、という反対住民の声があったのだ。

ただ、最初だけとはいえ参加できたおかげで、終了後、何人かに直接話を聞くことができた。参加者の約8割が反対派だったらしい。途中で「(ブロッサムは)か・え・れ! か・え・れ!」というコールも起こったという。私はあの上品そうなお年寄りたちがそんな激しい行為をしたのかと、ショックを受けた。保育園のオープンに反対する住民側の意見と、それに対応する目黒区の担当とのやり取りが1時間以上続き、膠着(こうちゃく)状態になった中、ただ1人、静かに挙手をして、保育園開園に“賛成”意見を述べたお年寄りの女性がいたそうだ。

「静かな生活を守りたい。反対する皆さんの気持ちも分かる。けれども、子供の声が聞こえなくなった町は寂しいんじゃないでしょうか」。そう、毅然と発言したという。明らかに反対派優勢の中で、この発言をするには勇気が必要だったのではないか。

その時に「賛成」の声を出したのは彼女だけだったが、説明会終了後に「賛成」や「応援」の意志を示す参加者も少なからずいたそうだ。反対する人ばかりではないのだ。

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